最先端のビジネスエリアと 古参の商店街と古道が、今も息づく町 神宮前六丁目は、町全体を分断するように『明治通り』が走り、さらに、先端部分が渋谷駅周辺に さしかかるほど、細長い二等辺三角形を成す。このような地形上、六丁目は実に多種多様な性格を 内包しており、エリアごとに大別すると、4つの特徴が浮かび上がる。 まず、「今昔が共存する『明治通り』の裏道」。そして、「『明治通り』のビジネスエリア」と 「渋谷文化漂う三角地帯」。最後が「ニュー・ミュージックの寵児が愛した風景と、穏田商店会界 隈」である。 「今昔が共存する『明治通り』の裏道」は、コープ・オリンピアから裏道をたどって『明治通り』 に達するエリア。屋敷町の名残りが強く、人通りの少ない静かな通りに沿って、瀟洒な家が立ち並 ぶ。駅に近く、『表参道』にも面しているという、本来なら賑やかな町並みを形成しそうな一角だ が、不思議なほど、時流に動じないエリアだ。 「『明治通り』のビジネスエリア」は、千代田線開通を皮切りに発展し、相次ぐ企業進出が、《フ ァッションの街 原宿》に、《ビジネスエリア》という、もうひとつの顔を誕生させた。アメリカ のストリート・ファッションを着こなして楽しそうに歩く若者たち、そして背広姿で先を急ぐビジ ネスマン、このミスマッチが、この界隈の特徴ともいえる。 そして、「渋谷文化漂う三角地帯」とは、宮下公園付近の、『明治通り』と『キャットストリー ト』に挟まれたエリアで、二等辺三角形をした六丁目の頂点にあたる。渋谷と原宿のの接点として 、ふたつの街の雰囲気をあわせもつ、摩訶不思議なエリアだ。 最後は「ニュー・ミュージックの寵児が愛した風景と、穏田商店会界隈」。神宮前交差点角の「 八角館」の裏に広がるこのエリアには、昔ながらの商店などが、親しみのある素朴な町並みを描き、 その一方で、ニュー・ミュウージック時代の寵児が愛した店が、今も存在する。 《原宿らしい部分》と、《渋谷ぽっい部分》が共存し、さらに《ビジネス》と《若者文化》が違和 感なく行き交う、神宮前六丁目ひと事では語れないほど、たくさんの要素を持つ町だ。バブル崩壊 が『明治通り』沿いのビジネス・エリアに一抹の不安を抱かせてはいるが、その問題も含め、多面 性をもつこの町がこれからどのように変わっていくか、注目されるところである。 (記事中の写真、原稿は、「写真集 原宿」を発刊された穏田表参道町会、半田庄司氏のご厚意で抜粋させて頂きました。)
|